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自殺旅行

第2章 自殺旅行

もう出る。もう出る。
病院から出たい私。

あの~死にたいのですが。

もちろん出してはもらえません・・・・・・。

体の自由は利かないけど、用もないのにこんな所に居るほど暇人じゃないのですけど!

「こんばんは。保健所の者ですが・・・・・・少しだけお話しいいですか?」
「は? いや、話すことなんて何もないので・・・・・・」

そうは言っても無理矢理にでも話すことに・・・・・・って『保健所』? わたくし衛生的に何か問題でもあるのかしら? なぜここで『保健所』の方々が登場したのかさっぱり理解出来ないままの私をよそに、話は進む。

「あなたをここから一人で出せません」
「いやいや、私大人ですから。そもそも私、一人旅ですし」
「でもあなた、また・・・その・・・・・・する・・・でしょう? ・・・・・・その・・・自殺」
「まあ、するでしょうね~。・・・・・・私まだ何もしてませんから。だいたいコレ、ただの練習ですから、テヘ☆」
「じゃあ尚更、一人でなんか・・・・・・」
「ですから。私、一人旅なので・・・大丈夫ですよ! 子供じゃないですから!」
「いえ・・・そうではなくて。あなたを死なせる訳にはいかないんです・・・・・・」
「??? ・・・・・・どうしてですか? あなた達私の何ですか? 偽善は結構です!」
「違っ! 偽善とかじゃなくて・・・・・・」
「ああ、お仕事ですものね☆ ご苦労様です♪」
「違っ・・・・・・そうでもなく・・・・・・」
「では何ですか? どうしてですか?」
「何って・・・・・・とにかく、あなたをここから一人では出せません」

私の口から、ひねくれた底意地の悪さマックスの言葉が遠慮なく飛び出す。でも・・・・・・核心は突いていると思うんだよね~。
私の質問に的確な返答はせず、逃げた感じですよ~?

もうね、言っちゃえばいいのにね!

「お仕事なので上部だけでも口先だけでもあなたを止めなきゃいけないんです。」

って。言っちゃえば楽になれますよ♪




こうしてまたしても無駄な押し問答祭が開催される。

今度の祭は『出る』『出さない』祭です。

負けないぞ~~~~~~!!!



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