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自殺旅行

第2章 自殺旅行

着ていたホテルの浴衣から私服に着替える。荷物はいつの間にか全部ホテルからここに移されていた。

脱いだ浴衣にはあちこちに血が・・・・・。

なるほど。首の絞め方によるのかどうなのかは分からないが、結構出血するものなのだな。鼻血は勿論、口内からも首からも。鬱血が酷いのなら眼球からもかな? しかも私は生理中でした。

病院を出る時言われたのは、

「では、点滴等の治療費として \ 2万円 \ いただきま~~~す♪」

って・・・・・・お金ないって言ってんじゃん! こっちが頼んだ訳でもなく、勝手に治療しておきながら酷いよ~! 横暴だよ~!

財布を見た。2万払って残金は・・・・・・うん、大丈夫。あと死ぬだけなので全く問題なしです♪

足腰ガックガクの私を左右と後ろから3人に支えられながらタクシーの後部座席真ん中に乗せられ、両脇をがっちりと保健所の女性達に固められたまま夜の暗闇を走り出した。

「ちょっと・・・・・・かなり距離があるので時間もかかりますから、寝てていいですよ」

「・・・・・・・・・・・・」

上手く返事が出来ない。

頭がボーッとしているのもあるし、これから何処に連れて行かれるのかもよく分からない。説明はしてくれたのだけど、地名を言われても知らない土地だから理解出来ない。

かと言って、不安も何もない。ただ、もうすぐ死ぬのだからどうでもいい。なんでもいいや~・・・・・・。と思った。

やけくそとは明らかに違う。

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