自殺旅行
第2章 自殺旅行
あーーーーーーーーーー・・・・・・身体中が痛い・・・・・・首・・・・・・痛い。
揺れる車内。誰も何も喋らない。
今は何日の何時なんだろう・・・・・・?
暗闇の中走り続けるタクシー。左隣の女性の足元を外灯が照らした。その女性の足元に『蛇』が見えた。
(あ・・・・・・蛇だ・・・・・・)
そう思った瞬間外灯は無くなり車内はまた暗闇に包まれた。
(蛇・・・・・・見間違いかな?)
少しして外灯が。やはり『蛇』がいる。縞模様のさほど大きくない『蛇』がうねうねと女性の足元で蠢いている。
(凄いな・・・・・・タクシーの中に蛇がいるって・・・・・・田舎ってスゲー!)
何故だか分からないが、そんな明後日な事が思考を過った。そしてまた暗闇。たまに外灯が照らす度に思考だけが頭を過る。
(田舎って凄いけど・・・・・・この人は気付いてないのかな?)
(気付いてないのなら、言った方がいいのかな~・・・・・・あ・・・・・・次、明るくなったら言おうかな~?)
(あ~~~~~・・・・・・言った方がいいのかな? ・・・・・・パニックになるかな?)
(どうしようかな? ・・・・・・あ、暗くなっちゃった・・・・・・)
(言おうかな~?・・・・・・ん? 2匹いるな~~~ん~・・・・・・どうしようかな?)
こんな感じで、ボーッと思考だけが過り続けたが結局言わなかった。
確かに長かった。
いったい何処まで行くの? 何処まで連れて行かれるの?
タクシーの料金メーターがガンガン上がり金額が・・・・・・。
もしかして・・・・・・この料金も私が払わないといけないのかしら? 金足りるかな~~~★
・・・・・・凄いぞ! 4万越えちゃった★
最終的にはいくらまで上がったのかは覚えていないが、この料金を請求されることはなかった。