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自殺旅行

第2章 自殺旅行


トイレは独房の中にある。和式で鉄格子からは見えないように大きな銀杏切りした大根のような低い壁はあるけど、音から匂いから駄々漏れです。

ベッドは床から数センチの高さのマットがあり、簡素なシーツらしき物と、簡素な掛け布団とカバー無し枕がある。

今の私には十分すぎると言うか・・・・・・私はいつになったら死ねるの? 明日? 明後日? いつ?

・・・・・・。あ、『蛇』だ。 なんで今まで気が付かなかったんだろう?

ベッドマットに座り、ふと床に視線をやると何百もの蛇がせわしなく蠢いている事になぜかたった今気付いた。

沢山いるな~~~~~・・・・・・。みんな何処に行くんだろう?

冷静なのは元々爬虫類が好きなのと、いまだに眠剤効果で思考回路が鈍っているからなのか・・・・・・はたまた首絞めで何処かの回路がおかしくなったからなのか?

私は躊躇なく蛇に近付いた。触ろうと思ったのだ。

・・・・・・・・消えた。

あれ? ・・・・・・離れると・・・・・・蛇出現。近付くと・・・・・・蛇消滅。

・・・・・・出現・・・・・・消滅・・・・・・出現・・・・・・消滅・・・・・・出現・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

あっ、これ幻覚ってやつだ! これも眠剤効果なのかな? 凄いな・・・・・・こんなにハッキリ見えているのに・・・・・・こんなにハッキリ見えるものなんだな~。

あぁそうか。タクシーの中の蛇もきっと幻覚だったんだな・・・・・・。なんにしろ、幻覚見たのも初めてだ♪

初めて尽くしだな! よし! 寝るか! まあ明日、明後日には死に場所探しを再開出来るだろう。

お休みなさ~~~い☆

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