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自殺旅行

第3章 独房生活

「ほら頑張って。少しだけでもいいので食べてください。ね? 」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「ね? ここのご飯、病院にしては結構美味しいんですよ! ・・・・・・・少しだけでもいいですから。ね? 食べましょう?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

今日はやけに粘りごしの看護師。らちが明かない。

・・・・・・・・・・・・・一口・・・・・・二口・・・・・・はい。ギブアップ!!!

「もういいんですか? ・・・・・・分かりました。じゃあせめて飲み物だけでも飲んで下さいね?」

「・・・・・・・・・・・はい」

もう、頷くのが手っ取り早い! 私は素直に返事をした。


看護師が昼食を持って出ていき静かになったのを見計らって、紙パック入りのりんごジュースを開け中身をトイレに捨てた。

出たい。出たい。出たい。出たい出たい出たい出たい出たい出たい・・・・・・死にたいにゃ~~~~~。

早くね♪ そう早く。早く早く早く早く早く。出て、吊りたいの! 早く吊りに行きたいの! 逝きたいの☆

今はあり得ないほど痛いけど、飛べた。私は上手く飛べたのだ!

あの時私は痛みも苦しみもなく飛べたのだ!

おかげで今も希望は変わらず『首吊り』だ。もう『練習』をする必要はない。

練習はした。しかも成功だ。大成功だ!

ちょっとやり過ぎて病院に運ばれ、警察を呼ばれ、こんな所にぶち込まれているのはいただけないが・・・・・・それでも! 意識を飛ばす練習は大成功なのだ!

ああぁ! 早く吊りに行きたい!!!

早く!!! 速く!!!

蛇を見て過ごす。上手くはない歌を聞きながら過ごす。意味不明な独り言を聞きながら過ごす。

ぼーーーっと過ごす。痛みだけを感じながら。そして眠る。

巡回の看護師と目が合う。

「変わりないですか?」

返事をする力はあまりない。僅かに頷くのがやっとだ。

夕食・・・・・・いらない。

いらない。いらない。なんにもいらない。いらないいらないいらないいらないいらないいらないいらない!!!

ああ! もう! 本当になんにもいらない!!! ただただ死にたい!

死にたいのDeth!!!!!!





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