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自殺旅行

第3章 独房生活

ロビーの一角でドライヤーをお借りして髪を乾かす。

鏡に映るのは久しぶりに見る自分の顔。

・・・・・・・・・・・・・こ~りゃひで~★

右目の眼球、血に染まって真っ赤だ。充血? そんな可愛いものじゃありません。鮮血が眼球表面で固まっている。なるほどこれが鬱血か。だからみんな聞いてくるんだ。

「目、大丈夫ですか?」

「右目痛くないですか? 」

って。納得!

顔も全体が赤い。ただ赤いだけじゃなくて・・・・・・なんだこれ・・・・・・気持ち悪い! 顔中に細かい赤い点がぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつぷつ・・・・・・・・・・・・・・・・・って!!!

超キメーーーーーーーーーー!!!

顔も鬱血。あっはっはっはっは! 超キモい上に超絶ブッサイク~~~~~~~~!!!

そして首。

・・・・・・あ~~~・・・・・・エッグいな~。くっきり跡が付いている。リードで絞めた跡が。濃い紫色が首を一周しております★

首の左側が特にエグいのは私が右利きだからだろうか? 絞めた時右腕の方が力があったから?

かさぶただ。やはりかさぶたも左側の方が深い。

なんにしろこの跡は私の大事なガイドライン。

間違いなく飛べるのだ! この跡に合わせてロープを巻き付ければ!

髪で顔をなるべく隠し、手持ちの服に付いているフードを深く被る。私の醜さは気持ちのいいものではないから。







「いいから食べなさい」

そう言って彼女は高らかに笑った。

教えてもらった彼女のあだ名は『ロッテンマイヤーさん(♀)』

私の『担当看護師』だ。

他の人とは違う。なかなかに豪快と言うか快活と言うか。

「食べた方がいいですよ?」

他の方はこんな感じ。でも『ロッテンマイヤーさん』はズバッと言うのだ。

「いいから食べろ」

と。

「死んじゃダメですよ?」

「死ぬなんて考えちゃダメですよ~」

と、みんなだいたいこんな感じ。

but!!! 彼女『ロッテンマイヤーさん』は違った。

「いいから生きなさい」

こう言ったあと、快活に笑うのだ。自殺志願者に「いいから」ってーーーーーーーーーーーー?!

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