自殺旅行
第3章 独房生活
十三日目
凄いね。『K』の叫びが少なくなってきた。お薬の力って・・・・・・凄いね!
医師と看護師の頑張りももちろんだけど。
「お~い・・・・・・お~~~い!」
ボリュームダウンした『K』の声。とは言え独り言は聞こえる音量。
「お~~~い! ・・・・・・やっぱり・・・・・・ここは違う世界なんだわ! 誰の返事もないもの・・・・・・私の真の力はいつ目覚めるのかしら? 仲間達はどこにいるのかしら・・・・・・とにかく! ここから出なくては・・・・・・どうやって出ようかしら・・・・・・」
今日の『K』は異世界ファンタジーの住人らしい。少しの沈黙のあと・・・・・・、
「いくわよ~~~・・・・・・! えいっ!」
ドガーーーンッ!!! ゴンッッ! ゴンッッ! ガゴンッ!!!
扉を蹴り始めた『K』。ほどなくして小走りで看護師登場。
「どうしました? Kさん? 大丈夫ですか?」
「・・・・・・大丈夫!」
看護師は去っていった。
「・・・・・・ビックリしたわ・・・・・・危なかったわ・・・・・・。敵はいるのね! ・・・・・・私の真の力が戻ってない今は仲間が来るまでおとなしくしていた方がいいのかしら?・・・・・・」
私はぼーーっと『K』の妄想一人芝居を聞いていた。
今日も来ましたヒョロ助タイム♪
もうシカトです! スピリチュアルアタックです!
抱きかかえた膝に顔を埋めた。
「こんにちは~・・・・・・。顔、見せてくださいよ~?」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・ねえ~?」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・じゃあそのままでもいいので・・・・・・で、どうですか? 『生活保護』・・・・・・考えてくれましたか?」
「・・・・・・・・」
「う~~~ん・・・・・・。いつまでも、このままって訳にもいかないでしょう? ・・・・・・まぁわたしはいいんですよ~? ねぇ、○○○○さん?」
「・・・・・・・・」
「ねえ? ・・・・・・顔、見せてくださいよ~?」
「・・・・・・・・・」