自殺旅行
第3章 独房生活
十九日目
朝食。カチャカチャ。・・・・・・・ポリポリ・・・・・・。食事の音の合間を縫うように『UM』は喋り続ける。もちろん、独り言。ボリュームは小さめで何を言っているのか内容までは聞き取れない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ~~~~~~~・・・・・・・・・・・・・ヒマだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・驚くほどヒマだ。
鉄格子と向かい合わせに立ち、目を閉じる。
・・・・・・・・・・・・・(スタープラチナ!!!)
心で呼んで、ゆっくりと目を開ける。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ですよね~~~☆ 鉄格子、ぐんにゃりと開いている・・・・・・わけないですよね~~~☆
だってわたくし『ジョースター』の血筋でもないし『ディオ』って知り合いもいないし『ジョジョ』って呼ばれてないし『スタンド』使いでもないですから★
HAHAHA!!! ほ~~~~~ら! ヒマ過ぎて三十五歳にもなって『ジョジョごっこ』とか一人でやりだす始末。
殺せよーーーー! 頼むから! 誰でもいいから殺してよーーーーーー!!!
あ~~~~~~~~・・・・・・ヒマ。
紐・・・・・・欲しいな~~~~~。紐遊びしたいな~~~。紐、紐、紐、紐、紐、紐、紐、紐ひもひもひもひも・・・・・・・。
パーカーの紐はもちろん、とっくに抜かれています。
・・・・・・・鉄格子の向こうに巾着が。私の生理用品が入っている巾着が。
・・・・・・鉄格子の間に手を入れる・・・・・・巾着を引っ張り込む。あっ、紐だ~~~。看護師が抜き忘れている紐を巾着から抜く。少し短い紐が二本。
その二本を一本にするべく結んでみた。固く固く固く・・・・・・結んでみた。
おや・・・・・・これは、なかなか。
首二周はするくらいの長さになった。
巡回を警戒しながら首に巻いてみた。