自殺旅行
第3章 独房生活
「いりません! そんなお薬、私飲みませんから!!!」
「先生からちゃんと処方されたお薬ですから。飲んでください」
「イヤです! 飲みません! 私もう寝ますから!! ・・・・・・イヤです!!!」
「お薬飲むまで寝かせませんよ? はい、飲んでください」
「イヤです!!! ちょ! 誰か! 誰かーーーーー!!!!!!」
「じゃあお注射になりますが、いいですか?」
「注射はイヤです!!! イヤです!!! お薬も注射もイヤです!!! もう寝るんですーーー!!!」
「はい。飲んだら寝てください。どっちにしますか? お薬ですか? お注射ですか?」
「注射はイヤです!!! イヤです!!! 絶対にイヤです!!!!!! お薬もイヤです!!! 飲みません!!!!!!」
この『お薬 or お注射』攻防は看護師の粘り勝ちで幕を閉じた。って言うか・・・・・・不思議だ。なぜ二人は今日になって、今更ながら拒否をしたのだろう? しかも、二人共に・・・・・・。
なんの因果か? 月の満ち欠けか? 潮の満ち引きか?
二十日目
・・・・・・・・・・・・・二十日も生き続けていますよ・・・・・・ウソだ!!! ウソだと誰か言ってくれーーーーーー!!!
ヒマです。暇暇です。
看護師の『男前(私は認めない)さん(♂)』何故『男前(私は認めない)』なのかと言うと、後に男性患者&女性患者数人に看護師の中で男前なのは誰だ? というどうでもいい雑談で一位になったのが彼だから。
が、私は認めない! 私の中での男前の定義には引っ掛からないからです!
まあ、どうでもいいか。
『男前(私は認めない)さん』が独房の掃除ついでに笑顔で聞いた。
「なんで死にたいの?」
「まあ色々ですよ。そうですね~~~・・・・・・一つには『見てみたい』『確かめてみたい』からですよ」