
恋は甘い香りと共に
第2章 天気、あらし。
そう言った途端教室中の空気が和やかになった。
うん、我ながら上手く取り繕えたと思う。
「そっかー。杏里ちゃんの家おいしいケーキ屋さんだもんね」
「杏里は運動馬鹿だし大丈夫か」
「杏里ちゃんのケーキ屋さん、行ったら会えるかな」
...色々聞こえてますが?
そして失礼な発言もあちこちありますけど?
どうせ運動馬鹿ですよ!私は!
「ふーん...まあ理由は何にせよ、良いなあ。あの人達と知り合いになれるなんて」
遥が私の机に頬づえをついて小さく息を吐いた。
「別に何も良く無いし。できればこれから一切関わりたく無い」
