
恋は甘い香りと共に
第2章 天気、あらし。
切り干し大根って…あんな庶民的な物が?
「何であんた御曹司なんじゃないの?美味しいもの何ていっくらでも…」
そう言いかけるとうるさかった空気が固まっているのに気づいた。
え、何、地雷踏んだ⁉
藍川を見るとただあたしに背を向けて固まっている。
ショウも金山悠もただ微妙な顔してあたしを見ている。
変な空気がしばらく流れた。
「…俺はあの家とは関係ないから」
絞り出されたようなその声にうまく反応出来ないまま、藍川湊人は鞄を引っさげて旧図書室から出て行ってしまった。
