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恋は甘い香りと共に

第2章 天気、あらし。

こいつ…あくまでもとぼけるつもりか!


ふん、丁度いいから暴いてやろうか。



金山悠の本性を。



「具体的に?そうね、低い声だしたり、腕を強く掴んだり、一人称が俺だったりすること…」



「こういうことか?」



「っ!?」




いつの間に距離を詰められていたのだろう。



さっき聞いた低い声に顔をあげれば床に座り込んだあたしの上に金山悠が覆い被さるような体勢になっていた。



「ちょ、なにする…きゃっ」





肩を強く押されて私はあっけなく後ろへと倒れた。





目の前に金山悠の顔がある。




「…こういうことなんだろ?そりゃもちろん俺だって男だよ。いくら部活嵐しだって男を舐めてもらっちゃ困るなー。渡辺杏里ちゃん」




一気に背筋を何かが走り抜けた。


こいつ…私の名前……!!!




キっと金山悠を睨みつける。










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