恋は甘い香りと共に
第2章 天気、あらし。
「来週の土曜日、大会がある。私もそれに出る」
まだよくわからないという顔をしている。
「もちろん先輩も」
キョトンとした顔にじょじょに朱がさしていく。
「それ、見にきなよ。あたしがなんとかする」
「ほんとっ!?」
「うん。任せろ」
どうなるかわからないけど、こいつらの所に先輩を連れて行くことは出来る筈だ。
「ありがとうっ!ありがと杏里!!」
「きゃあっ」
満面の笑みでガバッと抱きついてきた。
背中に回された手でバシバシと叩かれる。
こいつ、本当に嬉しいんだ。