恋は甘い香りと共に
第1章 はじまり
「うっわー!また湊人様こっち見たーーーっ!!」
遥…だけでなく藍川湊人が顔を向けた方面にいた人たち(30人くらい)がワッと黄色い歓声を上げた。
うるさい…
半年過ぎてそろそろ馴れてきたけどこの歓声はいつだって頭に響く。
入学式初日。
超絶イケメンが3人もいると騒がれ一気に神様みたいな存在になった3トップ。
朝っぱらから騒がれんのわかっててこんなとこ通んないで欲しい。
まじくそ迷惑すぎる。
頭の中で暴言を並べ続けていると聞き慣れた声が杏里、と私を呼んだ。
「なーに、慎之介」