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恋は甘い香りと共に

第1章 はじまり




「え?いいの」



藍川湊人の表情は背けられていたせいで全くわからなかった。


そしてそのまま、私の方を一度も見ずにドアの向こうに消えた。


私も金山悠もバカみたいに口を開けて突っ立っているだけで。



「なにあれ」



最初に口を開けたのは私。



「…僕が聞きたい。あらしちゃん、なにした?」



その声に言葉を返したのは金山悠。



「私は何もしてない!気付いたらあの体勢に持ち込まれてた」



まだ、さっきあったことが信じられない。




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