
同居人
第6章 紅く、濁る糸
「なーちゃん」
出るとすぐそこには
優が立っていた。
「ま…真央、なーちゃんって呼んじゃだめだってば!!」
もう約束
忘れてるし!!
「なーちゃんが吐き出してたから心配で…」
…あ、心配してくれたんだ。
「ありがと。…でもあんまり一緒にいるとだめだからね?」
「何で?」
「え…あ…相澤さんたちといるんだし」
私は相澤さんが
優のことを好きだと
いうことを
言っていいのか
分からなかった。
「俺、なーちゃんといたい」
「今、いるじゃん」
「二人で…家にいた方が楽しい…」
「たまには誰かと会わないと」
すると優は
黙ってしまった。
「…もう。私行くからね?真央も後で来てよ?」
