
同居人
第6章 紅く、濁る糸
私が歩き出したら
優が私の手を
引っ張った。
「…きゃっ」
「行かしたくない…」
優は真剣な顔で
私を見る。
「言うこと聞いてよ!!」
「…やだ」
「そんな真央、私嫌い!!」
「それもやだ」
「じゃあ言うこと聞いてよ!!」
「…ちゅー」
「え?」
「ちゅーしてくれたら合コンやる」
「外はだめ!!」
「…じゃあ中なら?」
優は私をトイレに
押し込んだ。
「ちょ…ちょっと…!!」
「早く」
優は目をつぶり
私のキスを待っている。
…今日は
仕方ないよね?
私は優の頬に
キスをした。
「ほっぺだけじゃ嫌」
「なっ…!!」
なんていう
わがままを…!!
私はキスしたのに…!!
