同居人
第3章 憂鬱なお誘い
「そこに…住んでるの?」
「ええ…まあ」
俯きながら
答えた私。
「か…菅野先輩は?」
「あ、俺はいつもこの辺の駅から歩いていくから…」
「あ…そうだったんですね…ぇ…」
「…隣の彼は?」
「ええっとー…親戚?みたいな?今、遊びに来てるんですよ…」
優は気を利かせて
黙っていてくれている。
「あ…そうなんだ。良かった」
「…どーも」
な…何で優は
怒ってるの…?
ぐいっ
「なーちゃん、行こ」
「…あ、失礼します」
そのまま優の
ペースで歩かされる
私。
…しかも会社とは
違う道なんだけど?
「なーちゃん…さ」
やっと止まった優の足。
「ん?何?」
「あの先輩って絶対なーちゃんのこと好きだよね?」