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月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】

第2章 縁(えにし)~もう一つの出逢い~

 実際には十四歳の香花と六歳の林明では親子というよりは、姉弟なのだが。
「私も可愛い息子ができたようで、とても嬉しいですよ」
 そう言ってやると、林明は嬉しげになおいっそう香花の胸に頬を押しつけてきたのだった。
 その日から、香花の部屋の箪笥に、花瓶に活けられた一輪の紫陽花が見られるようになった―。

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