
月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第17章 夢の終わり
眠ったお陰で、少しだけ元気が出た。香花は後ろ手に縛られた両手を懸命に動かしてみたが、やはり、ビクともしない。もう幾度となく解けないかとやってみたのだけれど、相当固く縛っているのだろうか。
同じように両脚をも動かしてみるが、こちらも空しい努力に終わった。何しろ、もう丸一日以上何も呑まず食わずなので、身体に力が入らない。こうやって、ほんのちょっと身体を動かしただけで息が切れて疲れてしまう。逃げることを考えれば、意地を張らずに出された食事を食べるのが賢明だとは判っていても、香花の勝ち気な性格では、どうしても理蓮が出した食事を食べる気にはなれなかった。
―馬鹿だな、意地なんて張ったって 、それで腹が膨れるか? 生命が助かるか? そんなときは、出された食事をたらふく食ってやって、逃げ出す機会を虎視眈々と狙ってやるものだぞ。
恐らく抜け目のない光王であれば、そう言うに違いない。
同じように両脚をも動かしてみるが、こちらも空しい努力に終わった。何しろ、もう丸一日以上何も呑まず食わずなので、身体に力が入らない。こうやって、ほんのちょっと身体を動かしただけで息が切れて疲れてしまう。逃げることを考えれば、意地を張らずに出された食事を食べるのが賢明だとは判っていても、香花の勝ち気な性格では、どうしても理蓮が出した食事を食べる気にはなれなかった。
―馬鹿だな、意地なんて張ったって 、それで腹が膨れるか? 生命が助かるか? そんなときは、出された食事をたらふく食ってやって、逃げ出す機会を虎視眈々と狙ってやるものだぞ。
恐らく抜け目のない光王であれば、そう言うに違いない。
