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月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】

第20章 父と子

 真悦は終始、落ち着いた態度でそれを受け止めた。
「信ずるも信じぬも、そなたの自由だ。私はこれ以上の言い訳はしない。そなたが今の話を作り話だと思うのなら、それで良い」
 永遠に終わらないかと思う沈黙が続く。
 息もつけないような重苦しさの中、誰もが声を出そうとはしなかった。
 意外にも、その沈黙を最初に破ったのは光王だった。

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