月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第21章 月下にひらく花
「駄目よ」
叫ぶように応えた香花を、光王が愕いた顔で見た。
「何故?」
次の瞬間、光王の綺麗な顔にひどく傷ついた表情が浮かぶのを目の当たりにして、香花は泣きたくなった。
「さっきも言ったでしょ。私にはこの村に残って、やりたいことがあるの。子どもたちにどうしても文字を教え、本を読むことを教えて上げたいのよ」
同じことを繰り返すと、光王が事もなげに言う。
「子どもたちに教えるのは、無理にここじゃなくても良いだろう。漢陽にも賤民の子どもはいる。香花のしたいことは、都に行ったからといって、できなくなるわけじゃない」
「成家に入ったら、そんなことはできないに決まってる。両班の奥方が賤民の子どもたちに学問を教えるなんて、認めて貰えるはずないもの」
叫ぶように応えた香花を、光王が愕いた顔で見た。
「何故?」
次の瞬間、光王の綺麗な顔にひどく傷ついた表情が浮かぶのを目の当たりにして、香花は泣きたくなった。
「さっきも言ったでしょ。私にはこの村に残って、やりたいことがあるの。子どもたちにどうしても文字を教え、本を読むことを教えて上げたいのよ」
同じことを繰り返すと、光王が事もなげに言う。
「子どもたちに教えるのは、無理にここじゃなくても良いだろう。漢陽にも賤民の子どもはいる。香花のしたいことは、都に行ったからといって、できなくなるわけじゃない」
「成家に入ったら、そんなことはできないに決まってる。両班の奥方が賤民の子どもたちに学問を教えるなんて、認めて貰えるはずないもの」