月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第21章 月下にひらく花
香花が必死になって言うのに、光王もまたムキになったように返す。
「俺が認めさせてやるよ。良人が良いと許可するんだから、誰も文句は言えないはずだ」
「で、でもっ。私は成家のように力のある家門の出ではないし。きっと釣り合わないって言われるでしょう? 光王のお父さんは、きっと、成家に釣り合う家門の娘を跡継の嫁には迎えたがるはずよ」
「親父がそういうことに拘る狭量な男のように、お前の眼には見えたのか? あの人は、お前のことを気に入っているようだった。町まで送っていく道中も、俺には勿体ないくらいの良い嫁だから、逃げられないように大事にしろとしつこいくらい言われたぞ?」
「―私、きっと、あなたの足手まといになる。だから、都には一緒に行かないって、ここで、さよならを言おうって決めたの」
刹那、光王が物凄い剣幕で怒鳴った。
「つまり、それは、俺と別れるっていうことなのか!?」
「俺が認めさせてやるよ。良人が良いと許可するんだから、誰も文句は言えないはずだ」
「で、でもっ。私は成家のように力のある家門の出ではないし。きっと釣り合わないって言われるでしょう? 光王のお父さんは、きっと、成家に釣り合う家門の娘を跡継の嫁には迎えたがるはずよ」
「親父がそういうことに拘る狭量な男のように、お前の眼には見えたのか? あの人は、お前のことを気に入っているようだった。町まで送っていく道中も、俺には勿体ないくらいの良い嫁だから、逃げられないように大事にしろとしつこいくらい言われたぞ?」
「―私、きっと、あなたの足手まといになる。だから、都には一緒に行かないって、ここで、さよならを言おうって決めたの」
刹那、光王が物凄い剣幕で怒鳴った。
「つまり、それは、俺と別れるっていうことなのか!?」