
月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第22章 第6話【漢陽(ハニャン)の春】・再会
香花は年が明けて、十七歳になった。二年前はまだ背中に編んで垂らしていた髪も今は人妻らしく首の後ろで一つに纏めている。若草色のチョゴリと華やかなローズ色のチマは仕立ても上々で、香花の清楚な若妻ぶりと匂い立つような色香をよく引き立てている。艶やかな黒髪に挿しているのは、良人光王から贈られた珊瑚のピニョである。
「叔母上さまは今もお変わりなく、お若くていらっしゃいますね。お孫さまももう大きくおなりではございませんか?」
香花が都を離れる前、叔母の長男尚賢(サンヒヨン)の妻は出産を目前に控えていた。尚賢は香花の従兄に当たる。出世などは望めそうもない気の良いだけが取り柄の若者だったが、その分、純朴で優しい従兄であった。叔母はその頃、初孫の誕生を待ち侘びていたものだ。
あれから二年余が経ち、あの後生まれた尚賢の子どももさぞ大きくなっているに相違ない。
「叔母上さまは今もお変わりなく、お若くていらっしゃいますね。お孫さまももう大きくおなりではございませんか?」
香花が都を離れる前、叔母の長男尚賢(サンヒヨン)の妻は出産を目前に控えていた。尚賢は香花の従兄に当たる。出世などは望めそうもない気の良いだけが取り柄の若者だったが、その分、純朴で優しい従兄であった。叔母はその頃、初孫の誕生を待ち侘びていたものだ。
あれから二年余が経ち、あの後生まれた尚賢の子どももさぞ大きくなっているに相違ない。
