月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第24章 交錯する想い
「―!」
人気のない殺風景な部屋、温もりのない布団を目の当たりにし、光王は顔が強ばるのを自覚した。
香花が俺に黙って出ていった?
香花が、俺を、棄てた?
あの女が俺に何も告げずに、黙って一人で出ていったというのか!?
布団が既に冷たくなっているところを見れば、香花は夜中には出ていったのだろう。
光王は誰もいない部屋の壁にダンと、拳を打ちつけた。
大声を上げて、暴れ回りたい。
いや、今すぐ、気が狂って正気を手放してしまったら、どんなにか良いだろう。
自分は女に見棄てられたのだ。
義母や婚約者だと名乗る女に言いたい放題に言われても、何も言い返せず守ってもやらない自分に厭気が差してしまったのだろう。
光王は香花の懐妊を知らない。
人気のない殺風景な部屋、温もりのない布団を目の当たりにし、光王は顔が強ばるのを自覚した。
香花が俺に黙って出ていった?
香花が、俺を、棄てた?
あの女が俺に何も告げずに、黙って一人で出ていったというのか!?
布団が既に冷たくなっているところを見れば、香花は夜中には出ていったのだろう。
光王は誰もいない部屋の壁にダンと、拳を打ちつけた。
大声を上げて、暴れ回りたい。
いや、今すぐ、気が狂って正気を手放してしまったら、どんなにか良いだろう。
自分は女に見棄てられたのだ。
義母や婚約者だと名乗る女に言いたい放題に言われても、何も言い返せず守ってもやらない自分に厭気が差してしまったのだろう。
光王は香花の懐妊を知らない。