月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第25章 岐路(みち)
すべて話せば長くなるので、要点だけを判り易く述べた。むろん、光王と祝言を挙げたことも包み隠さず話した。
話はやがて光王の父がわざわざ漢陽から二人の住む村まで訪ねてきたことから、光王自身の意思で再び漢陽に戻ってきたことに及んだ。
そして、祝言を挙げて正式な夫婦となりながらも、成家では嫁として認められず、とうとう屋敷を出てきてしまったことも。
女将はそれまでの陽気な顔はどこへやら、真剣に香花の長話に耳を傾けてくれた。
「まあ、あんたも色々と大変だったんだねえ」
女将は思案深げに眼を伏せた。長い睫が濃い翳を頬に落としている。同性の香花ですら、間近にいると、見惚れてしまいそうだ。
こんな綺麗な女(ひと)と光王は深い仲だったのだと思うと、改めて、光王が拘わってきた女人たちのことを想像してしまう。
話はやがて光王の父がわざわざ漢陽から二人の住む村まで訪ねてきたことから、光王自身の意思で再び漢陽に戻ってきたことに及んだ。
そして、祝言を挙げて正式な夫婦となりながらも、成家では嫁として認められず、とうとう屋敷を出てきてしまったことも。
女将はそれまでの陽気な顔はどこへやら、真剣に香花の長話に耳を傾けてくれた。
「まあ、あんたも色々と大変だったんだねえ」
女将は思案深げに眼を伏せた。長い睫が濃い翳を頬に落としている。同性の香花ですら、間近にいると、見惚れてしまいそうだ。
こんな綺麗な女(ひと)と光王は深い仲だったのだと思うと、改めて、光王が拘わってきた女人たちのことを想像してしまう。