月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】
第25章 岐路(みち)
何故、自分が女将にとって、〝恋仇〟なのだろう? 自分とこの女人とでは、所詮、勝負にならない。世間を知り尽くした大人の女と世間知らずの子どもでは、どちらが魅力的かと問われれば、男がどちらを選ぶかは応えを聞かずとも判るというものだ。
と、女将は、ころころと笑った。男のように豪快に笑うかと思えば、愛らしい少女のように笑う。くるくると表情を変えるところも、男にとってはまた、この上ない魅力となろう。
女将の魅力を知れば知るほど、香花は心が沈んでいった。こんなに臈長けた女人と付き合えば、自分なんて、三つの子どもくらいにしか見えないだろう。
私って、何て嫌な女。
これから世話になろうとしている人に、こんな邪な想いを抱くなんて。
と、女将は、ころころと笑った。男のように豪快に笑うかと思えば、愛らしい少女のように笑う。くるくると表情を変えるところも、男にとってはまた、この上ない魅力となろう。
女将の魅力を知れば知るほど、香花は心が沈んでいった。こんなに臈長けた女人と付き合えば、自分なんて、三つの子どもくらいにしか見えないだろう。
私って、何て嫌な女。
これから世話になろうとしている人に、こんな邪な想いを抱くなんて。