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月下にひらく華~切なさの向こう側~第6話【漢陽の春】

第26章 都の春

 この数年後、光王は科挙に合格、後に父の跡を継いで礼曹判書の位にまで上り、民を労る政治を行った。彼は大臣としては異例の身分制度撤廃論を提唱したが、それは彼の死後、実を結ぶことになる。しかし、やがて、時代の奔流は大きな波となり朝鮮という国を激動の時代へと導いてゆくことになる。
 二人の間に生まれた一人娘は〝春香(チユンヒヤン)〟と名付けられ、後に母方の実家金氏の家門を継ぎ、金姓を名乗っている。成氏の家門は、分家から養嗣子を迎えて存続させるに至った。
 光王の夫人金氏は国政を与る良人をよく助け、内助の功を尽くした賢夫人として知られ、その名を残した。

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