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トライアングル・ラブ―素直になりたかった―

第6章 疑惑



初めて彼女の瞳を真っ正面から見た。

透き通った黒い瞳は、全てを見透かしているようで、一瞬寒気を感じるほどだった。



「…別になんもないよ。」


もともと人と関わりたくない私は、心配されるなんてもっと嫌なのだ。


何も分かってない人に言われる“大丈夫?”ほどムカつくものはない。


「…じゃ、私帰るから。」


私はカバンを肩にかけ、生沼佐由子に告げた。


「…また…明日。」


彼女は微かな微笑みを私に送った。


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