トライアングル・ラブ―素直になりたかった―
第6章 疑惑
さっきもらったプリント、そのまま机の中に入れちゃった…。
足早に教室に向かうと、教室の中には生沼佐由子らしき人物が、私の机の側から窓の外を眺めていた。
私は入ろうか迷ったが、ドアにカバンをぶつけてしまい、その衝撃で音が響き渡り、生沼佐由子が振り向いた。
「…あ、ゴメンね。忘れものしちゃってさ。」
私が教室に足を踏み入れると、彼女は即座に自分のカバンを持ち、私の元へやってきた。
「…また…明日。」
先ほど言った台詞を再び言った彼女は、あっという間に教室から出ていってしまった。