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トライアングル・ラブ―素直になりたかった―

第2章 消えた笑顔



色んな人に良い顔をする南が嫌い。


「相変わらず無愛想だなぁ。子どもの頃は“みー君”ってキャッキャして可愛かったのによ~。」


南が遠くを見つめながら呟く。


私はため息をつき、机に出ていた教科書類をカバンに詰め込んだ。


「…なんだよ、もう帰んの?」


「…私の勝手でしょ。」


そう吐き、私はカバンを右肩にかけた。


クラスメートたちが、私と南の会話を聞いてなさそうでさりげなく聞いているのが分かる。


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