トライアングル・ラブ―素直になりたかった―
第2章 消えた笑顔
南のことをチラチラ見るくらいなら、アタックでもすれば?
私は大きなため息をつき、南から離れた。
「おい、さり待てよ!」
私は南の言葉に振り返りも答えもせず、スタスタと教室の外へと出た。
「…おい、置いてくなよ。」
南がリュックサックに腕を通しながら駆け寄ってきた。
「まだいれば良いじゃん。私のことはほっといて良いから。」
「…さりは大事な幼なじみだから、ほっとかないよ。」
南が優しく私の髪の毛をクシャッと撫でた。
…ムカつく。
皆から必要とされてる南が、何よりも私を気にする。
そんな状況が嫌い。