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隣の椅子

第1章 1

今日は珍しく“憩いの場”に人がいない。
いつもより一階は静かだった。
私はこんな日が一番好きだ。
まるで校舎に一人しかいなくなったような。
暖かいような冷たいようなこの空間が。
でも、私がいつものように木に座ろうとすると、そこには先約がいた。
みんなの“憩いの場”ではなくこの“私の憩いの場”に。
これまでこの“私の憩いの場”に人は一度も来た事が無い。
私の出すオーラが暗いのか、誰も“憩いの場”に気がづかないからだ。
「あっ、」

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