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「あっ、」
近づくとその人が知り合いだっ事にびっくりして、声が漏れてしまった。木に座って窓の外を見ていた主が声に気づき振り向いた。
座っていたのは、大浦　哲《ｵｵｳﾗ　ｱｷﾗ》同い年の男の子だ。いつもクラスの中心に居るような子で、大人っぽい物腰が女子にも人気がある。
自黒なのか、日焼けなのかは知らないが、肌がほんのり茶色く、スタイルが良い。
顔にはいつも笑みを張り付けているような子で、何を考えているのか解りにくかったが、
一つ言えるのは“憩いの場”に一人で来るような子では無いという事だ。
目があったので、
「ごめん、邪魔した」
そう言って私は退散しようとした。
「待って、」
変声期終わりたての声が私を呼び止める。
私は自分が声をかけられたのか確認するように、彼をみなおした。
彼は私と目があうと言った。
「もう上がるけど」
遠慮を感じさせない言い方だった。
「そう？」
正直有り難かったのでそう答えると、彼は静か木の椅子から立ち上がった。
「小鷹さんここ以外座らないよね？」
疑問系なのが気になるが、「そう？」とはぐらかしておいた。
同い年なだけに名前を覚えているのは当たり前だが、改めて話すのは初めてな気がする。
なんで私がにそこに良く座ってる事を知っているのだろうか。
「授業なんか抜け出して大丈夫なの」