隣の椅子
第1章 1
成り行き的に私が話しかけると彼は少しびっくりした顔をした。
彼は授業を抜け出す様な子では無いので、素直に疑問に思ったのだ。
「数学は苦手科目じゃ無いから、抜けても大丈夫だよ。
小鷹さんこそ抜け出して大丈夫なの?数学苦手でしょ」
「げっ、何で知ってんの」
しかも苦手科目まで知られていた・・・やはり14人しか同い年がいないと情報が回るのが速い。
「居残りの常連」
私の方を指さしながら言う、彼の顔はちょっと笑っている。
こういう自然な笑い方もするんだなと思った。
「苦手だからサボるの、サボるから居残りなの、」
私も意地になって言い訳をする。
「ふーん」
彼はそう言って笑うと、今度はもう一個の椅子を指さして、
「隣座って良い?」
ときいてきた。
「どうぞ」
私の答えを聞くと、ゆっくりとバランスをとりながら木の椅子に座った。
木の椅子と言ってもただの木を散切りにしたような物で、安定感が無いのだ。
でも私は、そんな所も結構お気に入りだったりする。
「やっぱり、こっちはグラグラするな」
椅子をカタカタさせながら彼はこっちを見た。
彼は授業を抜け出す様な子では無いので、素直に疑問に思ったのだ。
「数学は苦手科目じゃ無いから、抜けても大丈夫だよ。
小鷹さんこそ抜け出して大丈夫なの?数学苦手でしょ」
「げっ、何で知ってんの」
しかも苦手科目まで知られていた・・・やはり14人しか同い年がいないと情報が回るのが速い。
「居残りの常連」
私の方を指さしながら言う、彼の顔はちょっと笑っている。
こういう自然な笑い方もするんだなと思った。
「苦手だからサボるの、サボるから居残りなの、」
私も意地になって言い訳をする。
「ふーん」
彼はそう言って笑うと、今度はもう一個の椅子を指さして、
「隣座って良い?」
ときいてきた。
「どうぞ」
私の答えを聞くと、ゆっくりとバランスをとりながら木の椅子に座った。
木の椅子と言ってもただの木を散切りにしたような物で、安定感が無いのだ。
でも私は、そんな所も結構お気に入りだったりする。
「やっぱり、こっちはグラグラするな」
椅子をカタカタさせながら彼はこっちを見た。