隣の椅子
第1章 1
「気を付けて、最初馴れなくて私落ちたから」
と注意すると彼は、そんなにドジじゃ無いよ、と笑いながらまた椅子をカタカタとさせた。
そう言えば私が今座るこの椅子はカタカタしない。でも最初座ったときは馴れないせいか落ちてしまった。そのとき、人が周りにいっぱいいて笑われたのを思い出す。それにしても、いつの間にこの椅子はカタカタしなくなったのだろう。
「今日時間空いてる?」
突然、彼が口を開けた。
「空いてるけど・・・」
「じゃあ、良かったら数学教えよっか?」
え・・・この人は何を言ってるんだろう。私は数学なんて望んでないし、勉強もしたくない。
「いい、遠慮する」
私の声は棘々しく廊下に響いた。
「そっか、できない事はやりたくないもんね」
そう言うと彼は席を立った。
「っあの・・・」
去ろうとする彼に声をかけたが、振り返らない。
何なんだろう、わざわざ人に嫌味を言いに来たのだろうか。
別に数学なんて出なくて良いじゃか。
今日の一件で彼の株は私の中で暴落した。
何となく爽やかな子から猫かぶりへと変貌したのだ
と思ったがもう一度廊下を見てその考えを改めた。
と注意すると彼は、そんなにドジじゃ無いよ、と笑いながらまた椅子をカタカタとさせた。
そう言えば私が今座るこの椅子はカタカタしない。でも最初座ったときは馴れないせいか落ちてしまった。そのとき、人が周りにいっぱいいて笑われたのを思い出す。それにしても、いつの間にこの椅子はカタカタしなくなったのだろう。
「今日時間空いてる?」
突然、彼が口を開けた。
「空いてるけど・・・」
「じゃあ、良かったら数学教えよっか?」
え・・・この人は何を言ってるんだろう。私は数学なんて望んでないし、勉強もしたくない。
「いい、遠慮する」
私の声は棘々しく廊下に響いた。
「そっか、できない事はやりたくないもんね」
そう言うと彼は席を立った。
「っあの・・・」
去ろうとする彼に声をかけたが、振り返らない。
何なんだろう、わざわざ人に嫌味を言いに来たのだろうか。
別に数学なんて出なくて良いじゃか。
今日の一件で彼の株は私の中で暴落した。
何となく爽やかな子から猫かぶりへと変貌したのだ
と思ったがもう一度廊下を見てその考えを改めた。