高校生になって
第10章 文化祭
★side 乃亜☆
私は静かな教室に
早灘くんと二人でいる
鍵を閉められ
戸惑っている中
口を開く
「あのさ…………」
(これって何だろ?
私、何かされるのかな……)
「おっ俺、榊が好きだ。
入学式ん時から気になってた
付き合ってくれないか?」
(………………え?
告白?
私が言う前に言われちゃったょ)
「…………榊?」
知らないうちに
涙で頬が濡れていた
「……っわ、私も……早灘くんの
ことがっ…………すき…」
しゃっくりが止まらず
上手く伝えることができなかった
「そっか。ありがと」
早灘くんは
私の言葉を受け取り
誰もいない教室に
二人きりで軽いキスをした