
トライデント
第10章 変わりゆく世界
ゲオルグ「ああ、なんとかして止めてやりたいが…。アリシア、薬草をわけてくれ。」
アリシアはふっと笑って答えた。
アリシア「じゃあゲオルグ、キスしてくれたらあげるわよ。」
ゲオルグは驚いた。
ゲオルグ「こ、こんなときになんだよ!時間がないんだぞ!
あっ!」
アリシアはゲオルグの手を握った。
アリシア「こんなときだからこそよ、ゲオルグ。この戦い、予想以上に熾烈なの。特にレヴォンはね。もう、会えないかもしれない。」
笑いながら涙を流しているアリシア。
ゲオルグ「アリシア…。」
そして、ゲオルグとアリシアは目を閉じ初めてキスをした。
今まで急いでたのが嘘のようにゲオルグは落ち着く。
やがて唇は離れた。
アリシアはゲオルグの頭を撫でる。
アリシア「必ず、守るべきものを守って平和を勝ち取るのよ。あなたならできるわ。」
ゲオルグ「違う、僕が本当に守りたいのは。」
アリシア「私は最後でいい。だからゲオルグ、今は世界の争いを優先しなさい。」
アリシアはゲオルグの胸の傷もついでに薬草で治した。
ゲオルグ「アリシアも行こう!そうすれば…。」
アリシアは首をよこにふる。
アリシア「それはダメよ。」
