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花鬼(はなおに)~風の墓標~

第1章 始まりの―風の墓標

 とある森の奥深くに小さな泉がある。泉はいつも清らかな水を湛えて静かにそこに横たわっていて、その傍らには苔むした五輪塔がひっそりと佇んでいる。幾星霜を経たその墓の下で永遠(とわ)の眠りについているのがそも誰なのかを知る人はいない。

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