花鬼(はなおに)~風の墓標~
第9章 夜明け―永遠へ―
そう、今このときから、そして、これからもずっと。
熊はこの男と共に歩いてゆく。
たとえどんなことがあろうと、この男から永遠に離れないと熊は心に固く誓った。
伝次郎が熊の手を引いて走り始めた。熊も彼に遅れまいとついてゆく。
この道がどこに続いているのか判らない。それでも、熊は走る。心から愛する男と共にどこまでもゆく。
伝次郎が熊を気遣うように振り向く。熊は
安心させるように微笑んで見せた。
繋いだ手と手に力がこもる。伝次郎と熊は頷き合い、駆け続けた。夜の向こうには光が待っていると信じて。
東の空が白くなってゆく。今日という日の最初の光を熊は満ち足りた想いで見つめた。夜が明けようとしていた。
(了)
☆ ありがとうございました。作者 ☆
熊はこの男と共に歩いてゆく。
たとえどんなことがあろうと、この男から永遠に離れないと熊は心に固く誓った。
伝次郎が熊の手を引いて走り始めた。熊も彼に遅れまいとついてゆく。
この道がどこに続いているのか判らない。それでも、熊は走る。心から愛する男と共にどこまでもゆく。
伝次郎が熊を気遣うように振り向く。熊は
安心させるように微笑んで見せた。
繋いだ手と手に力がこもる。伝次郎と熊は頷き合い、駆け続けた。夜の向こうには光が待っていると信じて。
東の空が白くなってゆく。今日という日の最初の光を熊は満ち足りた想いで見つめた。夜が明けようとしていた。
(了)
☆ ありがとうございました。作者 ☆