テキストサイズ

花鬼(はなおに)~風の墓標~

第8章 【浮寝鳥(うきねどり)】

 熊はまだ夢を見ているような気がして、勝千代が消えた方を見つめていた。
この美少女とも見紛う若君こそが後の武田晴信(信玄)の幼き日の姿である。既にこの時期から晴信と信虎父子の根深い確執の元は芽生えていたのだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ