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姫凌辱【ファンタジー】

第2章 奴隷姫と貧乏男

兵隊どもはボロを纏うわりには元気がよく、ちらりと見た懐は金貨で膨らんでいた。

最近街に出回るセシリア王女暗殺に絡んでるんじゃねぇだろうな。

街の情報屋では王女はサラマンダーとかいうモンスターに食べられたという。
王女様には可哀相だが、馬鹿な民も今の世界の危険さがこれでわかったんじゃねぇかな、と俺は思う。
この事件を境にして、傭兵団も仕事が増え繁盛しているからな。

「あんたら十人を案内するわけね。で、どんなお店がいいわけ?」

「金髪碧眼の美女がいる店かな」
下品な笑いが兵隊の間で起こる。

「あるぜ、評判の店がな……」

俺はわざと思わせぶりに言った。
もちろん、高くふっかけて、金を分捕るためだ。
だが、この胡散臭い兵隊どもの眼は、人買い奴隷商人よりも腐った、暗い眼をしていた。

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