アルカナの抄 時の息吹
第8章 「世界」正位置
ベッドに仰向けに寝転ぶ。目を閉じ、考えているうち――ゆっくりと――意識が、深いところへ――。
気づけば俺は、城のテラスに出ていた。見下ろすと、あるはずの庭はない。遠くを見ても、そこに町はなく、ただ果てしなく荒野が広がっている。
おかしい…。これはなんだ。夢?
だがそう言えば、こんな夢を前にも見た。そう思っていると、別の映像が流れ込んできた。ザッ、ザッ、と、割り込むように見えたのは、まったく異なる風景。
寝室だ。明かりは点っておらず、暗い。俺はどこかに向かおうとしていた。部屋を出た瞬間、見知らぬ男が目の前に躍り出た。気のせいか、恐怖を押し隠しているように見える。
そいつの手元の異物に気づく。銃だ。俺は、はっとする。そういうことか、と。男は、素早く引き金を引いた。弾は、まっすぐ、俺の心臓に向かって飛んできた――。
「っ……!?」
がばっ、と飛び起きた。見慣れた天井が目に入り、ああ、やっぱり夢か、と安堵する。
その時、突如、愛する人の気配をどこかに感じた。とてつもなく小さくて今まで気づかなかったが、少し離れたところに、微かにマキの存在を感じる。
なんとなく…わかる。どこにいるのか。
「マキ…ッ!!」
気づけば、走り出していた。
気づけば俺は、城のテラスに出ていた。見下ろすと、あるはずの庭はない。遠くを見ても、そこに町はなく、ただ果てしなく荒野が広がっている。
おかしい…。これはなんだ。夢?
だがそう言えば、こんな夢を前にも見た。そう思っていると、別の映像が流れ込んできた。ザッ、ザッ、と、割り込むように見えたのは、まったく異なる風景。
寝室だ。明かりは点っておらず、暗い。俺はどこかに向かおうとしていた。部屋を出た瞬間、見知らぬ男が目の前に躍り出た。気のせいか、恐怖を押し隠しているように見える。
そいつの手元の異物に気づく。銃だ。俺は、はっとする。そういうことか、と。男は、素早く引き金を引いた。弾は、まっすぐ、俺の心臓に向かって飛んできた――。
「っ……!?」
がばっ、と飛び起きた。見慣れた天井が目に入り、ああ、やっぱり夢か、と安堵する。
その時、突如、愛する人の気配をどこかに感じた。とてつもなく小さくて今まで気づかなかったが、少し離れたところに、微かにマキの存在を感じる。
なんとなく…わかる。どこにいるのか。
「マキ…ッ!!」
気づけば、走り出していた。