アルカナの抄 時の息吹
第1章 「魔術師」正位置
掃除道具を取りにいくだけでめちゃくちゃ遠いし、嫌な予感はしてたけど。
「お城でかっ!」
外に出て見上げ、叫んだ。今まで中にいた建物がどんなに大きかったかを、そこで初めて知る。
全部キレイにするには…相当時間かかりそう。
「…時間はたっぷりありそうね」
これだけの広さを考えれば、タイムリミットまではまだまだあるだろう。それまでに、帰る方法を探し出さないと…と、さっそく掃除に取りかかった。
「それにしても、バカみたいに広いわね~」
ほうきを手に、中庭を見渡した。外にいたので取り敢えずそのまま掃除を始めてみたのだが、一向に終わりそうもない。
「バカみたいにとはなんだ」
男の声が聞こえ振り返ると、王が立っていた。先ほどのような軽装ではなく、軍服に似た正装らしき衣服に身を包んでいた。
しっかりとした布地で、襟は長く、首を覆うほどだ。上下に分かれており、胸には、国章だろうか、龍を模したものが刺繍されている。腰元でベルトを締めビシリと決めた姿は、さすが一国の王だ。全体的に様になっている。
「ここまで広くする意味がわからないんだもの。…で、何かご用かしら」
「おまえの仕事ぶりを監視しにきた。ちゃんとやってるようだな」
「あら、それはわざわざどうも」
「ちゃんと働かないようなら、あの条件はすぐにでも破棄する。出ていってもらうからな」
「お城でかっ!」
外に出て見上げ、叫んだ。今まで中にいた建物がどんなに大きかったかを、そこで初めて知る。
全部キレイにするには…相当時間かかりそう。
「…時間はたっぷりありそうね」
これだけの広さを考えれば、タイムリミットまではまだまだあるだろう。それまでに、帰る方法を探し出さないと…と、さっそく掃除に取りかかった。
「それにしても、バカみたいに広いわね~」
ほうきを手に、中庭を見渡した。外にいたので取り敢えずそのまま掃除を始めてみたのだが、一向に終わりそうもない。
「バカみたいにとはなんだ」
男の声が聞こえ振り返ると、王が立っていた。先ほどのような軽装ではなく、軍服に似た正装らしき衣服に身を包んでいた。
しっかりとした布地で、襟は長く、首を覆うほどだ。上下に分かれており、胸には、国章だろうか、龍を模したものが刺繍されている。腰元でベルトを締めビシリと決めた姿は、さすが一国の王だ。全体的に様になっている。
「ここまで広くする意味がわからないんだもの。…で、何かご用かしら」
「おまえの仕事ぶりを監視しにきた。ちゃんとやってるようだな」
「あら、それはわざわざどうも」
「ちゃんと働かないようなら、あの条件はすぐにでも破棄する。出ていってもらうからな」