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サンタとトナカイ、天使と私
第2章 神父
でも、二人は私に弟をくれた。私は二人に心から感謝すると同時に、この子には私が言われたようなことを言わせてやるもんかと強く思った。
ころころとした赤ん坊はまさに目に入れても痛くなさそうな可愛さだった。その赤ん坊が保育園に入り、私が中学に通うときには玄関に出てきて私の姿が見えなくなるまで「ねえねえいってらっしゃーい」と高い声で叫び手を振る弟が可愛くて可愛くて仕方がなかった。
荒れていた我が家に天使が来たのだ。両親も私にそれまでのように叱らなくなった。ただ、癇癪を起すと私にしたように弟をも傷つけようとする二人にいつしか私は今までにない感情を抱き始めていた。
そんな私をよそに弟はぐんぐん成長した。時間は同じ速さで進んでいるはずなのに、自分が進学していくスピードと弟が成長していくスピードが釣り合わないように感じられた。光はすぐに私を抜いてくれそうな頼もしさを元々持っていた。
私は自分の子供のように光を護るけれど、光も高校生になってからはますます頼もしくなってきた。その成長が嬉しい。
私は就職が決まるとすぐに光と二人で暮らし始めた。両親は籍はいれたままだったけれどもう同じ家にいることはなくなっていた。光には家が必要だったのだ。
今ではテニス部のキャプテンをしていて時々友だちを連れてくる。その子たちが良い子で私はさらに嬉しくなった。これ以上の幸せは私には必要ない。
大手企業に就職もできて安定した収入を得られるようになってからは私自身のものなんて何も欲しくなくなった。
そんな矢先にラルフさんを会社で見つけた。
恥ずかしいけれど、王子様が迎えにきたのかと思ったのだ。本当に身の程を知らない馬鹿な考え。
でも、その勘違いも完全に終わった。これからは仕事だけに専念しよう。
買ってきた七面鳥を野菜とハーブと一緒に水がたっぷり入った鍋に沈めて火にかけた。あとは茹であがった七面鳥に野菜をつめてオーブンで焼くだけだ。
ころころとした赤ん坊はまさに目に入れても痛くなさそうな可愛さだった。その赤ん坊が保育園に入り、私が中学に通うときには玄関に出てきて私の姿が見えなくなるまで「ねえねえいってらっしゃーい」と高い声で叫び手を振る弟が可愛くて可愛くて仕方がなかった。
荒れていた我が家に天使が来たのだ。両親も私にそれまでのように叱らなくなった。ただ、癇癪を起すと私にしたように弟をも傷つけようとする二人にいつしか私は今までにない感情を抱き始めていた。
そんな私をよそに弟はぐんぐん成長した。時間は同じ速さで進んでいるはずなのに、自分が進学していくスピードと弟が成長していくスピードが釣り合わないように感じられた。光はすぐに私を抜いてくれそうな頼もしさを元々持っていた。
私は自分の子供のように光を護るけれど、光も高校生になってからはますます頼もしくなってきた。その成長が嬉しい。
私は就職が決まるとすぐに光と二人で暮らし始めた。両親は籍はいれたままだったけれどもう同じ家にいることはなくなっていた。光には家が必要だったのだ。
今ではテニス部のキャプテンをしていて時々友だちを連れてくる。その子たちが良い子で私はさらに嬉しくなった。これ以上の幸せは私には必要ない。
大手企業に就職もできて安定した収入を得られるようになってからは私自身のものなんて何も欲しくなくなった。
そんな矢先にラルフさんを会社で見つけた。
恥ずかしいけれど、王子様が迎えにきたのかと思ったのだ。本当に身の程を知らない馬鹿な考え。
でも、その勘違いも完全に終わった。これからは仕事だけに専念しよう。
買ってきた七面鳥を野菜とハーブと一緒に水がたっぷり入った鍋に沈めて火にかけた。あとは茹であがった七面鳥に野菜をつめてオーブンで焼くだけだ。
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