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恋愛短編集

第5章 母さんのオムライス


翌日。

朝、リビングへ行くと、母さんが朝食を作っていた。

俺は母さんの横を通り過ぎ、冷蔵庫に向かう。

途中、ゴミ箱の中を覗くとオムライスが2つ。

うん、いつも通りだ。


「今日は、父さんも胡桃も先に行っちゃったみたい」


後ろから母さんの言葉が聞こえる。

これもいつも通り。


「あと、出るときにごみを出しといてね」


今日はごみの日なんかじゃない。

でも、これもいつも通りだ。

この2週間、同じ言葉しか聞いてない。

同じ朝しか迎えていない。

もう限界だった。

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