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恋愛短編集

第5章 母さんのオムライス


そしてゴミ箱の中身を見せた。


「え?ゴミ箱…?」


母さんの黒目に赤が写る。

ケチャップなんかじゃない、赤が。


「なにこれ?聡がやったの??こんな悪戯なんかして…ほんと、子供なんだからっ」


そう言って母さんは、笑った。

汚れない笑みを溢した。





―限界なんてとうに越している。

それでも保っていたのは―愛情。

母さんに対する愛情だ。


















パンッ―…

自分でも何をしたのかは分からない。

だが右手の痛みや目の前の状況から、俺が何をしたのか知った。









母さんを叩いた。

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