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恋愛短編集

第5章 母さんのオムライス


「…―何よ」


今までに見たことも無い様な目で睨む母さん。

その目は誰に向けているものなのか。

少なくとも、血を分けた、大切な家族に向けたものじゃない。

俺は恐怖でいっぱいになった。


「なんてことするの?!私が何をしたって言うのよ!!」


母さんは掴まれていた俺の手を振りほどき、近くにあった皿を手当たり次第投げる。


パリンッ―パリン、パリンッ―…

床に破片が飛び散る。

俺は避けるのに、自分を庇うのに必死だ。

母さんの暴走は止まらない。


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