恋愛短編集
第1章 まぁくんの隣
「お兄ちゃんどうしたの?」
「…」
「痛いの?悲しいの?」
「…」
まぁくんは全く返事をしない
声を押し殺して泣いていたが、その子にはばれていたみたい
するとその子が持っていた袋から何かを取り出した
それはオレンジジュースだった
「このオレンジジュースね、お母さんが買ってくれたんだよ」
まぁくんの顔が僅かにこっちを向いた
「悲しいときは美味しいものがいいんだって!だからあげる!」
その子はまぁくんに笑顔でオレンジジュースを差し出す
まぁくんはそれを震える手で受け取った