恋愛短編集
第2章 ヤンデレな彼女
「わりー遅れた」
しばらくすると、ゼッケンが部室に入ってきた。
「遅せぇよ」
「ごめんごめん。職員室に呼ばれてたんだよ」
そして日比野の方を向き、にっこりと笑って「ごめんね」と謝った。
それは俺に見せる顔とは明らかに異なる。
…現金な奴。
「あ、そういえば…さっき沙綾ちゃん見たよ」
え?図書室にいるんじゃ無かったか?
さっきの話を聞いていた日比野も疑問に思ったのだろう。
はてなマークを浮かべながら俺に聞いた。
「沙綾先輩って図書室にいるんじゃないんですか?」
「あっれ…おかしいな……」
そう言いながら携帯を開く俺。
すると、沙綾から連絡が来ていた。